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音のある風景 ~敦賀市のぴあの教室・森田佳代子です~

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泣かない子になって欲しい

「レッスンに来る前に泣くんです・・・」
送迎の祭に顔を合わせる保護者の方から時々そう聞くことがある。
それはピアノのレッスンに行きたくなくて泣いているのではなく、
思う所まで出来てなかったから、自分に対しても悔しいし、先生にも怒られるのではないかと不安だから。

これは私が思うこと。

下手でもいい。上手くてもいい。
自分のペース・自分のピアノとの関わり合い方を作ってほしい。



本来、それなりに上達させるための習い事としてのピアノかもしれない。
けど、それぞれ習い事に対しての考え方も違うし、進むペースも違う。
習う目的を「ひとつ」にする必要はないと思う。
もしも「ひとつ」にするとすれば、すべての生徒に自宅に練習用のグランドピアノを用意してもらって、すべての生徒に同じ理想的な進度で上を目指してもらう事になる。
そうすると、音楽に対して熱心でやる気と器用さを持ち合わせた子供達しかピアノを習えないことになる。

そうじゃない・・・
ピアノは誰でも習える。
どんな気持ちでも習える。
一生のうちに「いつまで」に「どこまで」弾けなくてはけないという決まりもない。
クラシック一本の道を強制する必要もない。

どの道をどう歩くか、どんな速さで歩くかは「それぞれ」。

熱心に進んでいくのもよし
楽しみながら進んでいくのもよし、
保育士や教員を目指してそれに必要な分だけ頑張るのもよし、

だからね、
子供達にはまず「どんな風にピアノと関わっていきたいか」を心の中に描けるようになってほしい。
私はどんな進み方でもその子のペースを守っていきたいと思う。

「怒られるのがイヤ」なら練習をする。
「出来なくて悔しい」なら練習をする。
簡単な方程式だけど、重いと行動はなかなか一致しないのが人の心の甘さ。
それは子供だけでなく大人にとってもそう。

だからね、
もし、今やっていることが自分にとって精一杯なら、自分を責める必要はない。
精一杯やっていることを誇りに思えばいい。
泣く必要はない。
自分なりに頑張ったのだから。
思うところまでは出来ていなくても、昨日よりは前進しているはず。
明日はもう少し先までいけるはず。

それをわかって欲しくて、子供達の「泣く」を「泣かなくてもいい」ように処方していく。
by asukamusic | 2007-04-25 23:05 | 講師のつぶやき | Comments(2)
Commented by menogaia417 at 2007-04-26 11:25
私もレッスンがいやなんではなく、出来てないから泣いていた気がします
どんなに練習しても引けなかったり・・・
Commented by 飛鳥 at 2007-04-26 23:04 x
menogaiaさん
出来ないことは悔しいですよね。
すぐには出来なくても少しずつでも前に進んでもらえるように、「すぐ出来ない」「なかなか出来ない」「いっぱいがんばっているのに」っていう心のイライラを子ども達から取り除いてあげるのも私の仕事だと思っています。
私自身もものすごくゆっくりこの道を歩いてきましたから。
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子供たちの笑顔を大切に・・      講師の悪戦苦闘の日記です


by 森田佳代子
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